i.schoolの「人間中心イノベーション・ワークショップ」に参加してきた
最近開講されたi.school(くわしくはこちら)のワークショップに参加してきました。
2009年度 第1回人間中心イノベーション・ワークショップ 「IDEO流イノベーションの真髄を体験!」2009.9. | 東京大学i.school
今回のワークショップはIDEOさん、博報堂さん、大阪ガスさん、味の素さん、早川書房 さんの協力のもと行われました。
あんまり詳細に書くと怒られそうなので概略だけ。
きっかけ
数々のすぐれたプロダクトデザインを生み出したIDEOのメソッドを5日間で体験するワークショップでした。
デザイン書を繰ると必ずといって書いてあるIDEOのイノベーション創出方法だけど、文面だけではよくわからない!やってみても自己流で中途半端になっちゃう!などと思っていたところだったので、飛びつくように参加申し込みをしました。
今回は「Toward better communication between working mothers and their children at home(家庭における働く母親と子どものより良いコミュニケーションに向けて)」というテーマ。
まさに働くお母さんになりたいと思っているので、現実をよく知る機会としてもうってつけ。
何をしたの!
初めて会った人と6、7人程度のグループを作り、以下のメニューをこなしました。
- 9/14:講義+軽く自己紹介(チームロゴ制作)+インタビュー準備+プロトタイプ練習(台所)
- 9/15:保育園観察+働くお母さんインタビュー
- 9/16:講義+発見の確認からOpportunity Areaの特定(一番初めの写真参照)
- 9/17:講義+ブレストからプロトタイピング(一番初めの写真参照)
- 9/18:発表練習と成果発表
講義はすべて英語。IDEOの方が直接教えてくださいました。
スタイリッシュでわかりやすいプレゼン資料と、面白い寸劇つき。
IDEOの方、博報堂の方がアドバイザーとして10名ほどいらっしゃいました。
質問すると親切に答えてくださいます。特に3日目は抽象的で、何度も何度も助けていただきました。
大阪ガスの方と味の素の方は各グループに1名ずついらっしゃり、助言をしてくださいました。
印象的なこと。
笑いは言語を超える
IDEOの方の講義は全部英語!英語が苦手なので正直半分ぐらいしか理解してなかったと思う。
だけど、それでもリアクションやちょっとした劇で笑って理解できる。
ポストイット片手にインタビュー時に気をつけることをレクチャー。
「何で帰らないの?」
3,4日目に起こったこと。
その日に予定されてたメニューが残っていたけど、疲れてきた。
日本人的には「仕事が終わるまで帰らない」は普通だけど、
IDEO的には「疲れたらさっさと帰って寝る」が普通みたい。
「残ってやりたい」などと言ったらすごい顔で「Weird!」って返された。これが健全なのかも!
働くお母さんはやっぱり大変
想像以上に大変なことが実感された。複雑な気持ちになってしまった。
仕事もしたい、家事もしたいとなると一日がタイトなこと!
子供を生もうと思ったら産休の期間をどこに持ってくるかも重要。
子供を作るときからタイミングを計画して、人事に手回しをして、子供を生んで、育てる。
どうして女の人ばかりがこれを考えなきゃいけないんだろう?って不思議に思うぐらい。
これまで男女平等に、平等にって育てられたのに、本当はそうじゃない。
でも私はきっと避けられない。
うーんって悩んだら「時間だけはたっぷりある学生のうちに産んでおくのがベストだよ」って博士の人に耳打ちされた。
おかねなーい!
フラットな立場で議論
個人のバックグラウンドが多彩だったのにフラットな立場で議論ができたのが印象的!
私みたいな情報系だけではなくて法学部の方や企業の方、なんと駒場の1年生まで混じったグループだったけど、年齢に関係なく何でもいえたなあと振り返って思います。
よく就活でよくやるグループディスカッション(GD)と同じ状況なのに、リーダーも書記もタイムキーパーも明示的に決まっていなかった。でも、テンポラリーに誰かがフォローして、うまく回る。不思議なものです。
それに、誰かがそれ違うんじゃない?って言っても、言われた相手は傷つかない。誰も落ち込まなくて、雰囲気も悪くならない。ただ、そっかーって自然に思える。
某社のインターンで体験したGDではなかったことだし、日常ではあんまりないと思う。
理由は興味が近しい、偶然環境がよかった、とか、そういうものもあるかもしれないけど、Observation(観察・インタビュー)で「同じものを同じようにみんなで見て考えた」ということが大きいと私は思っています。IDEOの手法でObservationが重要な理由がちょっとだけわかった気がしました。
Observationはやっぱり大切
前項でも書きましたが、Observationは大切!
物事を自分のこととして捉えるためには、その物事に没入しないとわからないと実感。
インタフェースの研究をしてるとどうしても独りよがりで、「楽しいけど、それで?」というものを作ってしまいがちになる。自分が楽しくて始めたのに、途中で飽きる。最後の最後になって研究の意味がよくわからなくなる。人に説明しづらい。
去年あたりから、そんなことを自覚していた私としては、頭をバーンってされたかんじでした。
ある程度時間をかけて、自分が何をしようとしているのか体験しなきゃだめなんだっていまさら。
抽象度
IDEOの特徴であるObservationの次の段階、Insightの抽出、Opportunity Area、HMW(How Might We)間での流れがとても難しい。抽象度をあげたり下げたりするけどややもすると方向を間違えかねない。5日間でわかったとは思わないけど、本を読んだらもっとわからなかったと思う。
英語「ぐらい」はしゃべれたほうがかっこいい
なぜ東大生は英語がうまいのか!そしてなぜ私の英語は下手なのか!
いきなり当てられて、英語でしゃべれることが普通になれるといいな。
英語敬遠してたけど、それぐらいはしゃべれたほうが便利。
東大生は変人が多い
やっぱり変人多くて安心した。変な友達ができてうれしいです(o^冖^o)
まとめ
5日間研究ほっぽりだして没頭できました。これが無料!学費払っててよかった!
有給をとって私たちに会いに来てくださったIDEOの方と、企業の方に感謝!
そして、機会を作ってくださった教授陣の方に感謝!
参加したい人は!
別のテーマでワークショップが開催されるそうです。
東大生なら参加できるそう。興味のある方はこちらをどうぞ。
参加者さんたちのまとめ記事
- R&D: りょうえんダイアリー:詳しくておすすめ。IDEOとはなんぞやからしたことまで細かに書かれていて本記事より想像しやすいと思います。